コラム

心に残ったのはオバマ大統領のスピーチでなく、被爆者代表 坪井さんの言動

こんにちは、ライターのtemmusuです。

昨日が伊勢志摩サミットの最終日でした。しかしサミットよりももっと重要な歴史に残るイベントがありました。
それは原爆を投下した当事国、現職のアメリカ合衆国大統領が、被爆地の広島を訪問したことです。
この歴史的出来事を、僕もテレビの前でじっと見ていました。

伊勢志摩サミットを終えたオバマ大統領は、軍用ヘリで広島に移動しました。
最初に原爆資料館に立ち寄り、そのあと広島平和公園で献花をし、20分近い長いスピーチを行いました。

オバマ大統領のスピーチ全文(日本語訳)は、こちらのサイト「huffington Post 」で読めます(映像もあります)。

みなさんは、スピーチを聞いて見てどう思いましたか?

正直なところ、僕はあまり心に響きませんでした。
テレビを通してリアルタイムで聞いていました。また改めて先ほどのサイトで全文を読み返してみましたが、心に来るものがありませんでした。

何なんでしょうね、歴史的な出来事であって、終戦からようやく71年目にして原爆を落とした国、アメリカ合衆国の現職大統領が、落とされた国の被爆地を直接訪れスピーチした、にもかかわらずです。
理由は、内容が「被害者の追悼」を話すにせよ、「核兵器のない世界に向けて」をアピールするにせよ、パンチ力を欠くインパクトのない平凡なメッセージだったからではないでしょうか。歴史的イベントでのスピーチと言う意味で "期待のハードル” が高すぎたこともあるかもしれませんね、素晴らしいことを言って当たり前みたいな雰囲気。
スピーチは、そういう “平凡” という意味で残念でした。

それはさておき、スピーチのすぐ後、被爆者の方に立ち寄り、握手をしながら話をしている姿が印象的で感動しました。
最初に話されていた被爆者の方は坪井さんと言って、被爆者団体「日本原水爆被害者団体協議会」の代表理事を務めている方なのだそうです。
話した内容は

「あの事件は既に歴史の一コマであり不幸な一コマであった。アメリカではなく、人類の過ちであった。未来に向かって頑張りましょう。プラハ演説(2009年)でノーベル平和賞を取ったのだから、遊んどったらダメですよ。未来志向で、駆け引きのない世界を作り上げましょう」(huffington Post より)

なんだそうです。
オバマさんのスピーチより、坪井さんのこの短い言葉の方がよっぽどグッときますね。

 

さて個人的にではありますが、このイベントの前に心配していることがありました。

それはオバマ大統領が訪れる前に、被爆者などの何かの団体を中心として、マスコミがはやし立て、最終的に世論が「謝罪を求める」ような雰囲気になるのではないか? ということでした。
僕個人の意見ですが、今回の一件で、日本の立場として「謝罪を求めてはいけない」と考えていました。

韓国や中国は、先の戦争をとらえて「歴史的認識」という言葉を使い、日本に対し頑なに謝罪を求め続けています。
これに対し、日本は「清算済み」の認識を基にではありますが、「未来志向」という言葉を使い、両国と外交を行っています。

この関係に象徴されるように、オバマ大統領に対し謝罪の言葉を求めるという行為は、即ち日本の外交における「未来志向」を捨てることを意味するだけでなく、真逆の態度である中国や韓国と同じように振る舞うことを意味します。

それでは日本の一貫した態度に、不整合を起こしてしまいます。

だからこそ、謝罪は求めるべきではないと考えていたし、また世論がそうならないことを祈っていました。

オバマ大統領のスピーチの後、笑顔で会話し固い握手をした人は、被爆者の代表者でした。
原爆投下によって一番苦しめられてきたであろう人が、文句を言わず嫌な顔をせず、むしろ笑顔で喜んで大統領と話している姿は感動的でした。
グッと心に響いたのは、もちろん被害者と加害者が和解できた記念すべき日という感動もあります。しかしそれよりも、坪井さんの「未来志向」に象徴される態度は、まさに日本・日本人の良いところであり、これこそが世界に誇れる事だと改めて実感したからです。日本に生まれて、日本人で良かったと改めて思った瞬間でもありました。

他方こんな記事もあります。
韓国人被爆者、広島で献花 「オバマ大統領は謝罪を」と求める切実な国内事情 (huffington Post)

タイトルだけでわかりますが、同様の内容を扱ったYahoo!ニュースでは、韓国人被害者の人たちが「韓国人原爆被害者へ謝罪賠償を」と書かれたTシャツを着ている映像もありました。
そうそう、これこれ。日本の雰囲気がこうなったら嫌だなと懸念していたのです。

ちなみに後からニュースで知ったのですが、オバマ大統領は原爆資料館に寄った際に、自ら折った4羽の折り鶴を差出し、2つを少年達へ手渡し、残りの2つを資料館に寄贈したらしいです。オバマさんは佐々木禎子さんの折り鶴を見や資料を見て、自分で折ったのだそうです。佐々木禎子さんは、原爆症で12歳で亡くなり、「原爆の子の像」のモデルとして知られている方だそうです。
これは良い話だなと思いました。オバマさんも気の利いた事するね。

 

おわり

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